やりたいと言っていなくなる子
学校から帰ってくると
「先生!家作ろう!!」
「先生!ロープウェイ作ろう!!」
と元気に登所します。
彼の名は「よっちゃん(仮名)」(小5)
よっちゃんはいつも何かを作ろうと提案してします。材料や道具の準備を一緒にすすめて「さあ、作ろう」と声をかけると
「先生やって」
といいます。
そして、まかせてその場を離れてしまうと、違う遊びをしています。(あれ?あんなに作りたいって言ってたのに…???)
「手伝うから、一緒にやろう!」
そう声をかけて、どんな物が作りたいのか絵を描いてもらおうとしますが、絵を描く手も止まります。
「どんなお家になるか教えて?」
「屋根の色は?」
「どのくらいの大きさ?」
身振り手振りを加えて、ようやく「赤」と答えてくれます。
早速作業に入ります。
「よっちゃん!先生段ボール押さえてるから、ここにこのガムテープ貼って!」
(よっちゃんは居なくなる…)
よっちゃんはどうして居なくなってしまうのか、理由として考えてられる事を自分なりに考えてみた。
- 他児が遊ぶ姿を見て、それがやりたくなった
- 作りたく無くなった
- 掲示物やおもちゃや他の指導員にフォーカスが移動した。
- 音や光や臭いに過敏。その他何かの理由でその場にいる事が不快である
- 作業が面倒
特に本人は気にしている様子も無いので、問題視はしていなかったのですが、たまたま作業療法士さんに支援のアドバイスをいただける機会があったので、相談してみると…
「多分、分からないんだよ」
「先生がどうして欲しいのか分からないんだよ」
「やってみよう」
すると、段ボールにペンで線を引っ張って、
「このガムテープをこの線の上に貼って」とよっちゃんに指示。
すると、よっちゃんは楽しそうに段ボールを貼り。
「次は?次はどこ?」
楽しく家を組み立てて
「線を切って」と話すと、
最後まで一緒にこなしました。
「よっちゃんごめんね」
★気がついた事
→「指さし」や「ここ」で具体的を表現しているつもりになっていた。
→相手の立場に立ってるつもりになっていた
→よっちゃんの困ってる様子に気がつけなった
→印を書く方法も具体的を示すひとつの手段だと学んだ。
→「分かりやすい」は人それぞれ違う。自分が思う分かりやすいが、相手にとっての分かりやすいとは限らない事を学んだ。